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Vol.57 メンタルヘルスを“チーム文化”にする3ステップ


ウェルブリッジブログ

こんにちは、人的資本健康経営コンサルタントの柴です。


「個人のストレスは個人で対処すべき」——そんな価値観が、まだ根強く残っていませんか?


近年、メンタルヘルスは“個人の問題”ではなく、組織として支えるべき人的資本の課題として注目されています。健康経営や働きがいのある職場づくりを目指すうえで、メンタルケアを“チームの文化”として根づかせる視点が重要です。


今回は、職場におけるメンタルヘルスの取り組みを「一部の人だけのもの」にせず、組織全体の文化として育てるための3つのステップをご紹介します。


1.「気づき」を共有できる職場にする

メンタルヘルスの不調は、身体的不調よりも“見えづらい”のが特徴です。

「なんとなく元気がない」「表情が硬い気がする」など、周囲の小さな違和感が早期のサインになりますが、日頃のコミュニケーションが少ない職場では、そうした気づきを見過ごしがちです。


だからこそ、職場全体で“気づける力”を高めていくことが大切です。

たとえば、

  • 朝のあいさつを交わすだけでなく、「表情・声・雰囲気」を気にかける

  • ちょっとした変化を感じたら、「最近どう?」と声をかけてみる


こうした日常の行動が、予防的なケアの第一歩になります。

「心の不調は、本人よりも周囲の方が先に気づくことが多い」とも言われます。管理職だけでなく全員が“見守り役”になれる土壌を整えることが重要です。


2. “ケアすること”を当たり前にする

「メンタルヘルスの話題は重たい」「口にすると逆に気まずくなる」——そんな職場の雰囲気が、ケアの文化を遠ざけているケースもあります。

しかし、感情や心の状態は誰しも揺らぐもの。だからこそ、“整え方”を共有し合える職場が、これからのスタンダードになります。


たとえば、

  • 1on1ミーティングで「最近どんなことにエネルギー使ってる?」と尋ねてみる

  • 社内チャットで「疲れを感じたら、こんなリセット方法もおすすめです」などの情報共有をする

  • 管理職自身が「私も先週しんどくて…」と自己開示する


このような声かけや行動を「していい」「してくれてうれしい」と受け止められる風土が、チームの心理的安全性を育てます。

ケアは特別なことではなく、日常の延長線上にあるもの。「ケアする・される」ことを自然と行き交う職場を目指しましょう。


3. “文化”にするには、仕組みと繰り返しが鍵

一時的なキャンペーンや研修だけでは、メンタルヘルスは文化になりません。

文化とは、**「それが当たり前になっている状態」**のこと。つまり、メンタルヘルスに関する行動が継続的に行われ、誰もがその意義を共有している状態をつくる必要があります。


そのためには、次のような“仕組み”を設けることが効果的です。

  • 四半期ごとのメンタルチェックアンケートの実施と、結果に基づくフィードバック

  • 「困ったときはこの人に相談できる」リストの共有

  • 感情やストレスに関する社内研修の定期開催

加えて、メンタルヘルスに関する話題を繰り返し発信することも文化定着のための重要なアクションです。社内報やメール、掲示板などで、「心の話」が頻繁に目に触れることで、関心と理解が少しずつ広がっていきます。


✅まとめ

メンタルヘルスの文化づくりは、一部の部署や担当者だけではなく、チーム全体の対話と共感の積み重ねによって形づくられます。

今日からできる一歩は、「気にかけること」「声をかけること」から。働きがいやウェルビーイングを育てる職場は、小さな“気づき”と“対話”から生まれていきます。


WellBridgeでは、理学療法士・心理職と連携しながら、メンタルヘルスの文化づくりを支援する研修・制度設計をご提供しています。

チームで支えるメンタルケアにご関心のある企業様は、ぜひお気軽にご相談ください。


執筆:WellBridge 柴


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