Vol.44 無理しすぎない文化が“組織の強さ”をつくる理由
- 睦美 柴
- 7 日前
- 読了時間: 3分

こんにちは、人的資本健康経営コンサルタントの柴です。
「頑張るのが当たり前」「成果を出して一人前」――そんな空気が職場に根づいていると、知らず知らずのうちに“無理をする文化”が浸透してしまいます。もちろん、前向きな努力や意欲は大切ですが、「無理を続けなければならない」環境は、社員の心身の健康をむしばみ、長期的には生産性や創造性の低下を招く原因になります。
この記事では、「無理をしすぎない文化」が、なぜ組織の持続的な成長を支えるのか。その理由を、健康経営・人的資本経営・心理的安全性という視点から紐解いていきます。
1. 「無理を美徳にしない」組織づくりの重要性
昭和的な価値観として根づいていた「我慢」や「気合い」。これらが今なお職場に残っていると、無意識のうちに“がんばりすぎ”が常態化し、それを評価する風土ができてしまいます。
たとえば:
体調不良でも休めない
残業が「美談」になる
定時退社に罪悪感を持つ
こうした文化の中では、プレゼンティーズム(出勤しているが十分に働けていない状態)が常態化し、実は“生産性の損失”が増大していきます。無理をし続けることで、メンタル不調やバーンアウトが起きやすくなり、早期離職にもつながります。
「がんばらないことが許される」職場とは、社員の多様性を認め、長く働き続けられる“持続可能な土壌”を持つということ。心理的安全性のある組織では、「今日は少し無理せずいきます」と言える風通しが整っています。
2. 強い組織は「再現性」と「回復力」がある
“強い職場”というと、つい高パフォーマンスや成果ばかりが注目されがちです。しかし真に強い職場とは、「高い成果を継続的に再現できる」こと、そして「一時的に崩れても回復できる」力を持っている職場です。
それを支える健康経営のキーワードは、次の3つです:
健康資産を守る設計:社員の生活習慣や睡眠状況にも着目し、パフォーマンス維持を支援する。
働き方の選択肢を認める風土:時短勤務・リモートなど多様な勤務体系が浸透している。
日常のヘルスチェック文化:健康診断以外でも「調子どう?」と声をかけ合える関係性。
これらが備わった職場では、「パフォーマンスが一時的に下がっても、組織全体で支え、回復できる力」が自然に育まれます。
3. 無理をしない文化が育てる3つの力
判断の質が安定する:余裕があると“俯瞰力”が働き、リスク判断や優先順位づけが正確になります。
人材が育つ土壌ができる:試行錯誤や失敗を許容できる環境が、学習と成長を加速させます。
チームの相互支援力が高まる:無理をしないことが当たり前になると、メンバー同士で声をかけ合う文化が自然に育ちます。
まとめ
「無理をしない文化」とは、甘えではなく“健康的で再現性のある成果”を追求するための戦略です。
社員が心身ともに余裕をもって働ける職場は、離職も減り、採用の魅力も高まり、企業の競争力そのものになります。
WellBridgeでは、理学療法士や健康経営の専門家が、こうした組織文化の変革を現場に即してサポートしています。
今こそ、組織の「がんばりすぎ」を見直す第一歩を踏み出しませんか?
執筆:WellBridge 柴
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