Vol.43 メンタル不調を「防ぐ職場」と「悪化させる職場」の違い
- 睦美 柴
- 5月13日
- 読了時間: 3分

こんにちは、人的資本健康経営コンサルタントの柴です。
職場でのメンタルヘルス不調が表面化する前に、未然に防げる職場と、逆に悪化させてしまう職場。両者の違いは、制度や福利厚生の有無ではなく、「日常的なコミュニケーションの質」や「空気感」にあります。
今回は、メンタル不調を“防ぐ職場”と“悪化させる職場”の違いを明らかにし、経営者や管理職が意識したい3つの視点をご紹介します。
1. 職場の“空気”が予防にも悪化にもなる
メンタル不調を防ぐ職場の特徴は、「何かあったら相談していい」「困っても助けてもらえる」という信頼の空気が日常的にあることです。逆に悪化させる職場では、「弱音は甘え」「困っている姿を見せると評価が下がる」という暗黙のプレッシャーが漂っていることが少なくありません。
防ぐ職場:
雑談や1on1、朝礼などを通じた“日常の対話文化”がある
お互いの体調や様子に気を配り、声をかけ合う風土がある
悪化させる職場:
結果重視・効率優先で、人間関係の余白がない
体調不良や不調を“自己管理不足”として処理される
こうした“空気”は、メンタル不調のサインに気づけるかどうか、あるいは気づいても“声をかけられるかどうか”に直結します。
2. 上司の対応が「予防線」か「火種」になる
上司の一言が、部下の安心感を左右します。メンタル不調の芽を摘むも、燃え広がらせるも、日々のやりとり次第です。
防ぐ職場の上司:
否定せず一度話を受け止め、「そうだったんだね」と共感できる
アドバイスよりも「どう感じているか」を丁寧に引き出す
ちょっとした変化や沈黙にも気づいて声をかける
悪化させる職場の上司:
自分の成功体験で返す(「俺の若い頃は…」)
感情的な対応、または無関心
「で、何が言いたいの?」「もう終わったことだろ」で締める
上司の対応が“信頼の土台”となるか、“緊張の要因”となるかは、組織全体の心理的安全性にも影響します。
3. 仕組みよりも「関係性」が先
制度や福利厚生の整備も大切ですが、実際に「使いたい」「頼っていい」と思われる関係性がなければ、制度は活かされません。
防ぐ職場:
社員同士が“気づき合える”チーム文化がある
対話や相談が日常化しており、心理的な安全性が高い
「メンタルは弱さではなく、マネジメント対象」という共通理解がある
悪化させる職場:
ストレスチェックや制度はあるが“形だけ”になっている
対話の機会が少なく、業務連絡のみで終始している
まとめ
「メンタル不調を未然に防ぐ職場」には、“人が人を気にかける”文化があります。小さな声を拾える土壌があること、それが何よりのメンタルヘルス対策です。
制度や取り組みはその補助輪。大切なのは、“普段から話し合える関係性”を育てることです。
あなたの職場は、どんな対話が日常にあるでしょうか?
執筆:WellBridge 柴
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