Vol.42 相談しやすい上司の共通点とは?
- 睦美 柴

- 5月12日
- 読了時間: 3分

こんにちは、人的資本健康経営コンサルタントの柴です。
職場の心理的安全性を高める上で、上司の「聞く力」はとても重要です。「相談しづらい」「何を言っても無駄」と思われてしまうと、早期のメンタル不調のサインも見逃され、結果として離職や生産性低下につながることも。
社員が心を開ける場をつくるためには、上司が「話しかけやすい」「聞いてくれる」という印象を持ってもらうことが何よりのポイントです。今回は、相談しやすい上司の特徴と、すぐに実践できる“聞く姿勢”のポイントをご紹介します。
1.「相談できない職場」が抱えるリスク
多くの組織では、部下のメンタル不調やモチベーションの低下が「報告が遅れた」「突然の退職」などの形で表面化します。しかし、それらの現象は決して“突然”起きるものではありません。
実際には、業務パフォーマンスの低下や発言の減少、些細な遅刻や休憩時間の延長といった“目に見えづらいサイン”が、長期間にわたり蓄積された結果なのです。特に、メンタル不調に関しては、本人が自覚しにくいケースも多く、周囲の気づきと早期対応が欠かせません。
小さなモヤモヤや違和感が職場で見逃される
不調の兆候を共有できる関係性がない
「言っても無駄」と諦めることで信頼関係が崩れる
「相談できない空気」が定着し、声が上がらなくなる
このような状況が続くと、職場全体の心理的安全性が低下し、結果的に「報連相の形骸化」「表面的な人間関係」「無関心の蔓延」などの悪循環が生まれます。
さらに、心理的に閉鎖的な職場は、当事者だけでなく周囲のメンバーにも大きな影響を与えます。緊張感や気遣いが常態化することでチームのエネルギーが消耗し、パフォーマンス全体が落ち込むことも少なくありません。
こうした問題を防ぐためには、「ちょっといいですか?」と気軽に声をかけられる空気づくりが何より重要です。
2. 相談しやすい上司の共通点
では、「相談してもいい」と感じさせる上司は、何をしているのでしょうか? 共通するポイントを3つ紹介します。
リアクションの安心感:「ちゃんと聞いてくれている」と思わせる“うなずき・相槌”“アイコンタクト”は想像以上に大きな影響を与えます。
否定しない・評価しない聞き方:「それは甘えだ」などの否定や、「こうすればいい」とすぐにアドバイスをする前に、一旦“受け止める”姿勢が重要です。
普段からの接点づくり:日常的な雑談や1on1ミーティングなど、定期的に“話せる時間”があると、相談のハードルが格段に下がります。
このように、話す側が「ここなら大丈夫」と感じる空気を作れる上司は、メンタルケアの起点になれる存在です。
3. 対話を習慣にする工夫
上司の心がけだけでなく、職場全体で“対話が当たり前”になる仕組みを作ることも大切です。
1on1の時間は「評価」より「対話」重視で
「最近どう?」と声をかける雑談トリガーを仕込む(コーヒータイム、ランチミーティングなど)
社員の言葉をメモして覚えておく→信頼される上司へ
対話や相談をした人を「評価する」文化を作る(話したことをポジティブに受け止める風土)
相談しやすい空気は、日常の積み重ねでできていきます。「あとでいいや」と思っていた小さな声が、上司との関係によって拾われることも少なくありません。
まとめ
相談しやすい上司は、メンタル不調の早期発見にもつながる“社内のセーフティネット”です。 聞くことは「技術」ではなく「姿勢」から生まれます。
まずは、部下の言葉に耳を傾けることから始めてみませんか?
執筆:WellBridge 柴






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