Vol.38雑談はメンタルケアのはじまり?安心の“きっかけ”を仕込む
- 睦美 柴
- 5月8日
- 読了時間: 3分

▶︎この記事でわかること
雑談が心理的安全性に与える影響とは?
業務外の会話がストレス予防につながる理由
雑談を“文化”に変えるために企業ができること
こんにちは、人的資本健康経営コンサルタントの柴です。
「雑談って、必要なんでしょうか?」企業の健康経営を支援していると、よくいただくご相談のひとつです。
たしかに、雑談は生産性には直接関係ないように思われがちですが、実は職場の心理的安全性やメンタルケアの観点からは、非常に大切な役割を担っています。今日は、雑談を“職場の安心感”に変えるための視点をお伝えします。
雑談は「ここにいていい」と感じられる初めのサイン
職場で交わされるたわいもない会話——「週末どうだった?」「最近ちょっと疲れてない?」そんな雑談が、実は大きな意味を持っています。
誰かに関心を持ってもらえる、話しかけてもいいと思える、安心して感情を出しても大丈夫だと感じられる——。このような「小さな安心」が積み重なることで、メンタル不調の予防になります。
とくに新入社員や異動したばかりのメンバーにとって、雑談は「ここにいていい」と感じるための最初のサイン。安心感のない職場では、ちょっとしたストレスも蓄積しやすくなり、やがてプレゼンティーズムや離職の原因にもつながります。
雑談が失われた職場に起こること
最近はリモートワークや業務効率化の影響で、職場の“余白”がどんどん減っています。会議はすぐに本題に入り、Slackやチャットは業務連絡が中心。業務以外の会話が消えた職場では、「本音を言える雰囲気」が作られにくくなっています。
このような環境では、ミスや不安を抱えたときに相談できず、一人で抱え込んでしまいがち。結果として、ちょっとした不調が気づかれないまま悪化し、離職やメンタルダウンを招くリスクが高まります。
雑談がない職場=心理的安全性が低い環境といっても、過言ではありません。
雑談を“戦略的に仕込む”という視点
雑談は自然に起きるものと思われがちですが、実際には「設計」できます。
たとえば、朝礼の冒頭に「ひとこと雑談タイム」を設けたり、昼食をシャッフル形式で一緒に取る仕組みを作ったり、オンラインでは“雑談専用チャットルーム”を用意するなどの工夫が可能です。
重要なのは、雑談を「不要な時間」と見なさないこと。雑談は、職場の空気を柔らかくし、心理的安全性を高め、社員同士が“気軽に助けを求められる関係性”を育てるための土壌なのです。
✅まとめ
雑談は、職場のメンタルヘルス対策の第一歩。社員の“心の声”をキャッチするには、日々のちょっとした会話が鍵になります。働きやすい職場は、話しやすい職場。雑談から始まる健康経営、ぜひ取り入れてみてください。
(執筆:WellBridge 柴)
Comments